松岡紀子 松岡紀子

シリコンバレー通信⑤~Apple 世界最高のオフィス~

公開日:2017/10/05(木) 更新日:2018/09/27(木) 海外視察

メルセデスベンツ日本のテレマティクスサービス「メルセデス ミー コネクト」のニュースを
テレビで見たのは7月の終わり頃だったでしょうか。テレマティクスサービスとは、携帯電話などの端末を利用して、自動車をインターネットに接続することで受けられるサービスです。

 

車から離れた場所で、携帯電話をリモート操作し、メルセデスベンツが動く様子を見て、いよいよこんな技術が身近に降りてきたのだなと感動しました。

 

テレマティクスサービスは、車両のリモート操作以外にも、カーナビを利用した電子メールの送受信や、天気予報・渋滞情報の受信、また、車両が盗難された場合の追跡サービスや、事故・故障などの事態に遭った際に、保険会社や自宅などに自動的に連絡するサービスなどが考えられているそうです。すごい。いつかそんな車に乗ってみたいな。



出張後、届いたダイレクトメール

・・・と思っていたら、1か月半後にテレマティクスサービス装備の車に乗ることができました。じゃ~ん。Appleで、フラッシュメモリー開発を担当されているAlexの愛車、テスラモーターズの電気自動車です!



リモート操作によって自動でバックする、Alexの愛車


Alexの愛車に乗って、Apple parkに連れて行っていただきました。Apple Parkはカリフォルニア州クパチーノにあるAppleの新本社ビルを中心とする施設です。4月よりスタートした本社機能の移転が間もなく終了するとのこと。



高速道路ではありません!


Appleの共同創業者、故スティーブ・ジョブズが「世界最高のオフィス」として構想したApple Park。ジョブズが亡くなる前の2年間、多くの時間が新社屋についての打ち合わせに費やされ、現Apple CEOのティム・クックが、ジョブズが亡くなる前の金曜日に交わした最後の会話は、新社屋についてだったそうです。

 

現本社の撮影は、ここがリミット。

「新本社について、最大の難しい問題を忘れていた。誰がメインビルディングに入り、誰が他の建物で働くかを決めることだ」とクック氏が冗談を言うと、ジョブズ氏は大きな声をあげて笑ったそうです。

 

全体の総面積は0.7km2。本社のオフィスビルは床面積26万m2のドーナツ型4階建てガラス張りの建物で、1万2,000人の従業員が働く「Apple Park」の構造コンセプトは、

 

従業員たちがお互いオープンに交流することで新たなアイデアが生まれることを重視し、チームワークや、交流といった目的ごとの「繭」のようなユニットを並べていく。機密情報を扱う部署を除いて、個々の「繭」は透明なガラスで仕切られ、AppleのトップであるCEOでさえ、豪華な個室を持つことは許されない。

 

だそうです。

 

この度の出張でお聞きしたお話から、Appleはとても繊細で秘密主義でストイック、という印象をもちました。イメージ通りです。だから数々の素晴らしい商品が誕生しているのだと思います。

 

こちらがApple新社屋アプローチでございま~す

部外者である私たちの写真撮影が一切禁止なのはもちろんですが、社員も禁止。写真撮影どころか、部署配属の際、秘密保持誓約書にサインをしたら、プロジェクトについて社内の交流は一切禁止のため、他のプロジェクトについては全く何も知らされない。自分が関わるプロジェクトがどう結実しているかも、製品発表で初めて知ることとなる。徹底した社内の情報統制がおこなわれていることに加え、とてもシンプルでクールな社屋の印象が相まって、Apple=真似のできないかっこいいクローズド、という結果をもって帰国した私。

 

そのAppleが、チームワークや交流を重視した会社に生まれ変わる。再び感動です。

 
次回是非とも見学したい、スティーヴ・ジョブズ・シアター前にて、Alexさんと記念の一枚。

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