更新日:2026/01/12

  • 自社のこだわりや魅力を、もっと的確に伝えたい
  • でも、いざ書こうとすると、ありきたりな言葉しか出てこない…
  • 渾身のメッセージを発信しても、顧客に響いている気がしない

そんな感覚をお持ちなら、それは文章センスの問題でも、努力不足でもありません。

コピーライティングというと、「刺さる言葉選び」「センスのいい表現」が重要だと思われがちですが、心に刺さる言葉は、言い回しの上手さからは生まれません。必要なのは、視点の転換

「自分たちは何を売りたいのか」ではなく「見込み客は、他社でどんな壁にぶつかり、立ち止まっているのか」

そこに目を向けたとき、はじめて「行動を後押しする言葉」が見えてきます。

今の見込み客は、すでに何社もホームページを見比べ、性能・価格・施工事例といった基本情報を把握しています。それでも、問い合わせや来場に踏み切れない。見込み客は 情報が足りないのではなく、「決めきれない状態」 にあるのです。

今回は、顧客の意思決定プロセスを元に、問い合わせや来場へ導くための3つのアプローチを解説します。

「いいことは書いているのに、なぜか選ばれない」そんな状態から抜け出すためのヒントを、工務店・リフォーム会社の実例とともにお伝えします。

① 商品説明は、やめよう。

  • デザインと性能を両立
  • 家族にやさしい住まい
  • 四季を楽しむ暮らし

どれも間違っていない美しい言葉です。でもこれは「特徴の羅列」に過ぎず、どの会社でも言える言葉です。

前述したとおり、見込み客は様々な情報を持ち、沢山の会社を比較しています。それでもどこか一つを選べなかった。

そこで、実際にあなたの会社と契約した顧客が、契約に至るまでにどのような道のりを辿ったか、そのインサイト(本音)に焦点を当ててみましょう。

事例:ある注文住宅会社の逆転劇

東京にあるA工務店。

顧客の検討プロセスを分析すると、次のようなパターンが浮かび上がりました。

動機 デザイン性の高い家に惹かれて検討開始
行動 CMで有名なハウスメーカーに相談
立ちはだかった壁 打ち合わせ回数に制限があると言われた
超えられなかった壁 「自由設計と言いながら、実際は制限だらけで自分たちの想いが叶わない」という落胆

着目したのは「他社では超えられなかった壁」。打ち合わせ回数に制限は無いA工務店は、次のようなメッセージを打ち出しました。

「注文住宅は、もっと自由でいい。」

  • 「打ち合わせ回数無制限です」という単なる機能説明ではなく、顧客の「心情に寄り添う言葉」を制作
  • 理想の家づくりを諦めかけた顧客に「この会社は私の挫折を理解し、夢を叶えてくれる存在かもしれない」という期待を生む

自社の顧客が過去に他社で経験した「壁」は何か。それを突き止め、言葉で破壊する。それが差別化の第一歩となります。

② 「え?」を生み出せる会社は、記憶に残る

次に紹介するのは、心理学の概念「認知的不協和」を応用したアプローチです。

人は、自分の中に矛盾する情報が入ってきた時、不快なストレス(認知的不協和)を感じます。そして、その不快感を解消するために、無意識に「答え(真実)」を探そうとします。

この心理を利用し、あえて常識や期待を裏切るメッセージを提示することで、スクロールする指を止めさせるのです。

工務店・リフォーム会社の実例

妥協しない家づくりが、予算を抑える近道

解説:「え?こだわれば、高くなるのが当たり前では?」という常識との矛盾が、読者の思考をロック。

断熱性の落とし穴。新築なのに寒い家とは?

解説:「新しい家は、暖かいに決まっている」という思い込みを覆し、「新築=快適」という思い込みを揺さぶる

片づけなくても散らからない

「そんな魔法のようなことが?」という、好奇心を刺激。

福岡県のB工務店では、最後のコピーに変えた直後、新規問い合わせを獲得されました。

重要なのは、奇をてらうことではありません。見込み客が「うっすら感じている違和感」を言葉として表に出すこと。それができれば、一歩抜け出すことに成功します。

③ AIの使い方を変えれば、キャッチコピーが変わる

ChatGPTなどのAI活用が進んでいますが「魅力的なキャッチコピーを10個考えて」といった使い方を多く見かけます。ですが、それだけではどこかで見た言葉しか出てきません。

AIには、次の3つも入れてみましょう。

  • ターゲットの状況:他社でぶつかった「壁」は何か
  • 自社の強み:その壁を、自社がどう壊しているか
  • 制約条件:「認知的不協和」を使って常識を裏切ること

事例:エクステリア会社が作ったコピー

埼玉県のCエクステリア会社では、

  • 何度も打ち合わせするのが大変、1案だけでは判断できないという悩みを持つ顧客に対し、
  • 初回から複数プラン×複数見積りを提示

という強みがありました。

【AIに投げかけ】

私たちはエクステリアの会社です。
自社の特徴を端的に表すキャッチコピーを一緒に考えてください。 
1案だけでは判断できないと悩む顧客に対し、私たちがお客様に選ばれている理由の一つに、ファーストプラン時に2つの案で4つの見積りを出す点があります。
これにより、お客様は私たち1社に頼むだけで複数のお庭のパターンを比較することが出来ます。ファーストプランの段階でこの手法を取る会社は珍しく、あまり他社にはありません。 
この点がポイントとなりお客様が弊社を選んでくれている事実もあります。
以上を踏まえて、認知的不協和を感じる魅力的で簡潔なキャッチコピーを複数考えてください。

【AIの回答】

ワンプランじゃない。迷うくらいが、ちょうどいい。

AIは「何を書かせるか」ではなく「誰に、どんな壁を壊すために書かせるか」を指示することで、最強の相棒へと進化します。

まとめ|あなたの会社が壊せる「壁」は何か?

今回ご紹介した3つのアプローチは

  • 診断:顧客が他社で経験した「超えられなかった壁」を突き止める。
  • 破壊:「認知的不協和」を活用し、その壁を破壊するメッセージを作る。
  • 拡張:深いインサイトをAIに学習させ、アイデアを量産する。

という、顧客を深く理解し、その心に寄り添うためのプロセスです。

見込み客が今まさに直面している、あなたにしか壊せない「壁」とは、一体何でしょうか?

その答えを見つけ、言葉にしたとき、あなたの会社の発信は「数ある工務店の一つ」から「選ばれる理由」へ変わるかもしれません。

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