いま、そしてこれから 上田 かおり 「10年後にカッコよく生きていたいから、いま頑張る

京都に生まれたしあわせ

 「京都の会社なの?いいねえ」。これもよく皆様からかけていただく言葉です。京都に生まれ育った私にとって、当たり前だと思っていた環境が、じつは他にはない貴重なものだということに気づいたのは、いつの頃からだったでしょうか。

  千年の古都・京都。路地の奥には様々な四季の行事が息づき、そこかしこに静寂に包まれた古いお寺があります。それとは対照的に、若者が集まる新しいスポットが多いのも京都の特徴です。

  新しいものばかりではいけない。かと言って古いものに固執しては進歩がない。進取の気性と古いものを守り伝える心。その両方が無理なく溶け合っている京都人特有のバランス感覚は、私の中にもきっと存在し、ホームページ制作という仕事にも活かされていると思うのです。

熟成を知る街に学ぶ

 京都でもうひとつ、面白いなと思うこと。それは「いちげんさんお断り」の精神です。うんと若い頃には単に「いけずやなあ」と思っていたのですが、その精神がじつは京文化を守っていたのだと気がつきました。

  京文化とはひとことで言うと「大人の文化」です。教養、ステータス、経済的なゆとり、あらゆる面で大人になれていない人には行くことのできない場所がある。周囲から認められて初めて、そういう場所に出入りすることを許される。京文化の懐の深さはそうやって守られてきたのです。「粋やなあ」。いまはつくづくそう感じます。そして将来、そんな大人になる自分を想像するのがとても楽しみです。

  さらにもうひとつ気づいたこと。京都には老舗が多く、私の友人にも何代も続く老舗の跡取りが大勢います。この友人たちと話をすると、とても先の長い商いをしていると感じるのです。何代もおつきあいが続くのだから、目先の利に縛られないで、長い目で見たアドバイスをしたり、商品を勧めたり。

  私もホームページをつくる時には、絶対にインパクト勝負のホームページはつくりません。それよりも本当の愛情が感じられるものというのが、ごく自然に私のスタンスとして存在しています。もしかしたら、こうした友人たちとのつきあいが、私をそんな風にしてくれていたのかな。これも京都に感謝していることのひとつです。

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